社内報

2024.07.08 ひと休み

豆知識その26「ゲーム ボーイ」

ゲームの話し・・・と思いきや!?          いつも着眼点が面白いSさんの発表

近年、自動車盗難の最も多い手口は「CANインベーダー」である。かつては「リレーアタック」が主流であったが、リレーアタックは車のスマートキーから発生する電波を遮断すれば防げるため、カギを金属製の箱に入れるなどして比較的簡単に対策ができることからだいぶ減っている。自動車メーカー側でも、スマートキーの電波を弱くするなど電波を増幅させにくくする手段をとっている。リレーアタックが減ってきた一方、4~5年前から増えているのがCANインベーダーという手口である。特殊な機器をエンジンルーム内のCANに接続すれば、ドア解錠からエンジン始動までものの数分で行える。左前のバンパー付近を持ち上げて腕を突っ込んでゴソゴソやっているのはほぼ間違いなくCANインベーダーによるものだと思っていて間違いない。ただし、今大量に盗まれているランクル200やレクサスGSなど少し古めの車種においては車内からしかCANに接続できないタイプもある。その場合は、一度ドアを解錠してから室内から接続してエンジン始動となるので、施錠してある車の場合は少し時間がかかる。2023年はアルフォードが700台、ランクルが643台、レクサスLXが261台も盗まれているのだが、そのほとんどがCANインベーダーまたはリレーアタックで盗まれていると考えられる。このような中、2024年に入ってから史上最恐といわれる機械が登場している。その名も「GAME BOY」(ゲームボーイ)形状も携帯ゲーム機に寄せてきており、対応車種別に3種類もある。最上級グレードの「GAME BOY TECK」なる商品はなんとお値段3万ユーロ(約480万円)。CANインベーダー用のデバイスが60~100万円であるから、ゲームボーイがいかに高額であるかわかる。ドアロックはドアハンドル部分に近づけてものの十数秒で鍵が開く。その後、車に乗り込んでエンジンスタートのためのプッシュボタンに近づけると、同じくあっさりエンジンがかかる。この機械さえあれば、特に解錠のテクニックやCANにつなぐための特殊な知識も不要となるだろう。車に全く触れることなく、もちろんボディにキズをつけてしまうことなく簡単に盗み出せてしまうのだ。なぜそんなことが可能なのか?ゲームボーイは車側のスマートエントリーシステムから発せられる信号を利用してドア解錠、エンジン始動が可能となり車を盗んでいくことができる。販売サイトには「悪用は厳禁」と書いてある。そもそもは、カギをなくしてドアが開けられなくなった場合にその場でスペアキーを作ることが目的なのである。日本は自動車窃盗の罪が軽すぎるため、外国人窃盗団の間では日本は「盗難車天国」というまったく不名誉な話が蔓延しつつあるそうだ。オーナー側の防犯意識が薄い、警察は本気で捜査しない、逮捕されたところで外国人は不起訴になる例が多い。起訴されて実刑判決を受けても罪が軽い。そして盗んだ車は高額で換金できる。メーカー側の対策も今ひとつ。CANインベーダーやゲームボーイのように電子デバイスを使った盗難はこれからも増えていくだろう。狙われやすい車のオーナーの皆様、くれぐれもお気をつけください。  【ダ・ビンチ webより】