社内報

2023.12.04 ひと休み

豆知識 その19「ラベルレスペットボトル」

最近よく見かけます。すっきりしたペットボトル。こんな背景があったんですね。 

Mさん発表

2018年頃から、一部の通販サイトで「ラベルレス飲料」の販売が始まりました。容器に入れて販売される飲料は「加工食品」という扱いとなります。そのため、本来は「食品表示法」に基づいて「品名(飲料の種別)」や「栄養成分表示」などを表示する義務があります。また、容器には「資源有効利用促進法」に基づいて容器の分別回収(素材の識別)に必要な表示を添える義務があります。

一般的なペットボトル飲料では、プラスチックラベルに両方の法律に基づく表示をまとめて印字し、それをペットボトルに貼り付けることで要件を満たしています。しかし、このラベルとペットボトル本体は、別の資源やゴミとして扱われるため、資源として回収したりゴミとして出したりする際に“分離”する必要があります。

ラベルレス飲料は製品情報を表記するための「ラベル」を貼り付けていないペットボトル飲料のことを指します。ラベルを省くことで、資源やゴミの分別の手間を省けるだけではなく、ゴミの排出量も減らせます。

食品表示法では、販売される加工食品“1つ1つ”に表示義務があります。ただし、複数個の加工食品を1つのパッケージに入れて販売する場合は、まとめて入れる箱や袋に表示をすることで、中に入っている個包装の表示を省くことができます。そこで義務表示を箱や外装紙に印字して、ばら売りしないことで、ペットボトルを「個包装」とみなして義務表示を省いています。ラベルレス飲料の多くが通販限定なのは「箱売り」を基本としているからなのです。

ちなみに、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで1本ずつ売られているラベルレス飲料は、小さなタグシール上に義務表示をぎっちりと印字することで法令上の問題を解決しています。

ラベルレス飲料は、ミネラルウォーターを中心に展開されてきましたが、最近では緑茶やスポーツドリンク、コーヒーなど展開ジャンルが広がってきました。もちろん、ラベル付きの商品と味や品質に違いはありません。 自宅内で消費する分においてラベルレスタイプを選べば、資源/ゴミの分別の手間が省けて、出すゴミの量も減らせます。「身近なエコ」の第一歩として買ってみるのもいいかもしれません。

Fav-Log by ITmediaより