社内報

2025.04.08 ひと休み

豆知識その38「レジ袋有料化の効果」

静岡市のスーパーでは、購入したレジ袋がそのまま「指定ごみ袋」として使えるものを取り扱っているところもありますよね。

環境について改めて考えるきっかけをくれた、Mさんの発表

 現在、世界中の多くの国で、プラスチック製のレジ袋が有料化もしくは禁止されています。日本でも2020年7月以来、レジ袋の有料化が始まりました。環境省によると、このレジ袋有料化は、国民に「環境のためにできることはなんだろう」と考えるきっかけを与えることが目的でした。環境省の報告によると、レジ袋有料化になって数ヵ月で、一週間レジ袋を使用しなかった人の割合が30.4%から71.9%へと変化しました。またレジ袋の国内流通量は、約半分になりました。さらに、マイバックを持参する人が目に見えて増加しています。レジ袋有料化による直接的な変化は確かに生じました。

一方で、無料レジ袋が家庭用ゴミ袋としても活躍していたことから、レジ袋有料化によって、プラスチック製のゴミ袋の購入や消費が増加するのではないかと懸念されてきました。この懸念はレジ袋有料化を行っている他の国でも同様に生じていて、袋メーカーの強い反対によって、レジ袋有料化の政策が撤廃されたところもあります。 例えば、テキサス州ダラスでは、2015年からレジ袋に5セント(約7.7円)の料金を課すようになりましたが、市がレジ袋メーカーから訴訟を起こされ、たった5ヵ月でこの政策は撤廃されました。またテキサス州オースティンでは、2013年に無料レジ袋が禁止になりましたが、2018年にはテキサス州の最高裁判所によって、「州全体でレジ袋の有料化を禁止する」という判決が下り、オースティンでのレジ袋有料化は5年で終了しています。

そしてこれらの国では撤廃後も、引き続き多くのプラスチック袋が余分に購入されました。政策が実施される期間が長ければ長いほど、撤廃後の行動への影響も長引いたそうです。例えば、ダラスでは有料化が5ヵ月だけだったため、政策撤廃後、13ヵ月でプラスチック袋の購入行動が元に戻りました。しかし、5年間有料化を続けたオースティンでは、政策撤廃後、18ヵ月経ってもプラスチック袋の購入量が元の水準に戻りませんでした。現在、日本ではレジ袋有料化が4年以上続いています。今後どうなるかは分かりませんが、この政策がずっと続くとしても、後に撤廃されるとしても、決して小さくない影響が及ぶことになります。

【ナゾロジーより】