2025.07.28 ひと休み
豆知識その45「ミティクール」
すごい技術ですね!
家電や技術の豆知識をたくさん教えてくれるTさんの発表
近年のテクノロジーの発達により、省エネ家電が次々に登場している中、インドでは電力を一切必要としない”家電”が話題を呼んでいます。陶芸職人の家系に生まれたプラジャパティ氏は、粘土で作られた”家電”を販売する「ミティクール」というブランドを立ち上げました。冷蔵庫や食洗機など、このブランドの製品は、環境に優しいだけではく、安価なのも魅力です。インド国内で9000個以上も売れているミティクールの冷蔵庫は、3000インド・ルピー(約5000円)と低所得者層でも手が届く値段に設定されています。「裕福な人たちは何でも購入できる一方で、貧しい人々は冷蔵庫などの生活に必要な家電を手に入れることが難しい。だから私たちは彼らの手の届く商品を開発したのだ」とプラジャパティ氏は語っています。粘土でできた冷蔵庫は、水の力を最大限に利用して機能します。冷蔵庫の上段の扉内に入れた水が、側面に滴り蒸発する際に、冷蔵庫内部の熱気を奪うことで冷却効果が発揮されます。野菜や果物、牛乳なら2、3日間保冷できます。耐久性のある製品なので、丁寧に扱えば買い替えの必要もありません。2001年にインドを襲った大地震で自身も被災したプラジャパティ氏は、被災者の壊れた冷蔵庫の写真を新聞で見て、電力を必要とせず多くの人に使ってもらえる冷蔵庫を作ろうと決意したそうです。グローバル化と産業の機械化が進み、プラスチック製品などの代替品が広まりつつある中、多くの陶器職人が厳しい状況に直面しています。一時期は借金を抱え苦しみながらも開発を続けたプラジャパティ氏のおかげで、ミティクールはアフリカにも輸出されるなど、着々と知名度を上げています。技術革新により、新しい発見や新機能が増えつつある一方で、ミティクールの冷蔵庫のように、従来の伝統的産業を違った視点から見つめ直すことでひと味違うアイデアが生まれます。大切な機能がシンプルにデザインされている「古き良き」ものを見直すことで、我々の生活はさらに豊かになっていくのではないでしょうか。
【IDEAS FOR GOODより】